2017年07月22日更新

ハゲに明るい未来が!iPS細胞でハゲでも髪が再生されるかも!?

2012年に京大の山中教授がノーベル賞を受賞したことで注目を集めたiPS細胞ですが、この技術でハゲも治るのではないかと言われています。本当に毛根を再生してハゲを根治できるのでしょうか?iPS細胞でどのようにして髪の毛を生やすことができるのでしょうか?

目次

ハゲに明るい未来は来るのだろうか…

新しい育毛剤が出ては消え、新しいハゲ治療の技術開発のニュースが出ては消えの昨今ですが、みなさんいかがお過ごしですか?

もうハゲは治らないんだと絶望している方もいらっしゃるでしょう。

いや、ハゲの特効薬はいつかできるんだと信じて疑わない方もいらっしゃるでしょう。

ハゲの未来は果たして明るいのでしょうか?

最先端の研究をしている研究者ならともかく、素人の私たちには知るべくもありせん。

今日もどこかでハゲを治すべく日夜、世界中の研究者たちが鎬を削っているのです。

毛髪再生医療が発展してハゲの未来は明るい!?

みなさん、こんなことを考えたことはありませんか?

もし毛根そのものを再生できればハゲに悩まなくて済むのに……。

薄毛治療や薄毛対策の方法はいろいろありますが、どれも一時しのぎのものや効果が疑わしいものばかりです。

カツラなどは一時しのぎの最たるものでしょうし、植毛もお金がかかる上に皮膚移植なので傷痕が残る可能性もあります。

治療薬は副作用があるし、すべての人に効果があるわけではありません。

しかし、毛根を再生できれば完璧な薄毛治療ができるのではないでしょうか?

毛髪再生医療とはどんな医療なの?

毛髪再生医療とは、毛髪を生やす元になる細胞を再生させる医療のことです。

現在は資生堂が研究していることで有名な医療です。

毛球部毛根鞘部細胞と呼ばれる細胞があります。

これは毛乳頭細胞の元になるとされる細胞です。

髪は毛根にある毛乳頭細胞が細胞分裂を繰り返すことによって成長していきます。

毛球部毛根鞘部細胞を培養して薄毛部分やハゲの部分に細胞を移植し、毛包を活性化させることで薄毛部分やハゲの部分の髪の成長を促すのが毛髪再生医療と呼ばれる技術です。

毛髪再生医療には患者さん自身の細胞を移植する自家細胞移植と、他人の細胞を持ってきて移植する他家細胞移植があります。

自家細胞移植なら免疫拒絶がなく安全性が高いとされています。

しかし自家細胞移植の場合、髪が残っていなくてはなりません。

髪が残っていない、完全にハゲてしまっている場合には自家細胞移植は使えません。

自家細胞移植がダメなら他家細胞移植を行うことになりますが、免疫拒絶の危険性もあります。

どうしてiPS細胞でハゲが治るの?

そもそもiPS細胞とは何でしょうか?

どのような働きをする、どんな細胞なのでしょうか?

山中教授の京都大学iPS細胞研究所「CiRA(サイラ)」の説明を見てみましょう。

人間の皮膚などの体細胞に、極少数の因子を導入し、培養することによって、様々な組織や臓器の細胞に分化する能力とほぼ無限に増殖する能力をもつ多能性幹細胞に変化します。 この細胞を「人工多能性幹細胞」と呼びます。英語では、「induced pluripotent stem cell」と表記しますので頭文字をとって「iPS細胞」と呼ばれています。 名付け親は、世界で初めてiPS細胞の作製に成功した京都大学の山中伸弥教授です。

出典 : 京都大学iPS研究所CiRA(サイラ)

ここで重要なのは「様々な組織や臓器の細胞に分化する能力」を持つということです。

「様々な組織や臓器の細胞に分化する能力」があるということは髪を生やすための毛乳頭細胞やそのもととなる毛球部毛根鞘部細胞も再生させることができるということです。

iPS細胞での治療にはどんなメリットがあるの?

iPS細胞で治療することによって、ハゲの人たちにはどんなメリットがあるのでしょうか?

無制限に髪のもととなる細胞を作ることができる

山中教授の京都大学iPS研究所「CiRA」の説明をもう一度見てみましょう。

そこには「ほぼ無限に増殖する能力」を持つと書かれています。

「ほぼ」なので実際は制限があると思われますが、しかしほとんど制限なく十分な数の細胞を培養できると考えて間違いないでしょう。

通常は一つの細胞から培養する数には限度や制限があります。

一つの細胞からほぼ無限に細胞を培養することができるということは、自家細胞移植の際に自分の頭皮から多くの細胞を切り取る必要がないということです。

全く髪の生えていない人でも治療可能!

細胞を再生するということは、細胞がない人に移植することで髪を生やすことが可能だということです。

細胞がない人、つまり毛乳頭細胞やその元となる毛球部毛根鞘部細胞が存在しない人でもiPS細胞を培養し、ハゲや薄毛部分に移植することで治療が可能なのです。

従来の治療方法では全く髪がない人を治療するにはカツラ以外に方法はありませんでした。

自分の毛を移植する自毛植毛という方法もありますが、これは側頭部や後頭部などハゲていない部分がある人に限られていました。

iPS細胞によって完全にハゲてしまった人、まったく髪がない人も髪を生やすことが可能になったのです。

短時間で髪が生えてくるようになる

従来の治療方法では髪が生えてくるのに時間がかかっていました。

髪が伸びるスピードには限度があるからです。

髪はヘアサイクルといって、髪が生えてから抜けるまでの一定の期間があります。

髪が一度生えてから数年かけて成長し、成長が終わると抜けていきます。

髪が抜けてからまた生え始めるまで数ヶ月かかります。

人間の細胞分裂の性質上、これは仕方のないことなのです。

しかしiPS細胞は、細胞を培養さえできればすぐに移植することが可能です。

細胞の培養もほぼ無限に増殖可能なので、すぐに増やすことができます。

自毛植毛よりも定着しやすい

自毛植毛を行う時は後頭部や側頭部などのハゲや薄毛になりにくい場所の頭皮を切り取ります。

切り取った頭皮を薄毛部分やハゲた部分に移植します。

この自毛植毛では定着率が大変重要になります。

せっかく自毛を移植しても髪がすぐに抜けてしまったら意味がないですよね。

定着率とは移植した自毛がきちんと生えてくるかどうかを示すものです。

自毛植毛の定着率は90%以上ないし95%とも言われています。

つまり、100%ではないのです。

iPS細胞なら切り取った頭皮と同じ細胞を移植させることができるので、定着率は高まります。

研究はどこまで進んでいるの?

iPS細胞の研究がどこまで進んでいるのか気になりますよね。ここでは研究の進捗状況についてご紹介します。

毛包が作られたことを確認!

理化学研究所(理研)の多細胞システム形成研究センター器官誘導研究チーム、北里大学、東北大学などの共同研究グループがマウスのiPS細胞から毛包を作り出すことに成功しました。

毛包とは毛を作るための重要な部分で、外側から見える部分は一般的に毛穴と呼ばれています。

毛包を作ることができたということは、これから毛の再生技術が確立される可能性は高いといえます。

研究チームの今後の動向に注目していきましょう。

まだ産毛程度しか成長していない

理化学研究所などの共同研究チームがマウスからiPS細胞を作り出すことに成功したのは喜ばしいニュースですが、一方で産毛程度しか成長していないという情報もあります。

髪を生やすには産毛から太くて長い毛に成長させる必要があるので、まだまだ研究はこれからということなのでしょう。

とはいえ、マウスで実験して成功したのはとてもすごいことです。

産毛程度だったとしても大きな前進だと言えるでしょう。

費用がかかりすぎるなど課題もたくさん

iPS細胞は薄毛治療やハゲ治療にとって革新的な技術であると言えますが、費用がかかりすぎるという難点もあります。

費用はまだ実用段階に達していないので確かなことは言えませんが、目の治療では患者1人に1億円もかかるということです。

1億円なんて個人では出せる金額ではありませんよね。

毛の再生は目の再生とはまた違うとは思いますが、最先端の医療なので高価であることは間違いないでしょう。

2020年までを目処に実用化目指している

iPS細胞はいつ実用化されるのか、については部位によって異なります。

実は文部科学省はiPS細胞研究ロードマップというものを公開しており、これを見ることでいつごろ実用化されるのかの目安を知ることができます。

このロードマップによれば、毛の再生は2020年頃を目処に実用化を目指していることがわかります。

2020年といえば東京オリンピックが開催される年ですが、このときまでに自分の髪が残っていることを祈るばかりです。

髪が全くないハゲでも明るい未来が待っているかも!

iPS細胞はハゲた人にとっては奇跡のような技術です。

この技術があればカツラや自毛植毛に頼らなくても完璧な毛髪を生やすことができます。

しかもそれは、他人の毛や自分の側頭部や後頭部のような別の場所から毛髪を持って来るわけではありません。

前髪なら前髪の細胞から、頭頂部なら頭頂部の細胞から毛髪の細胞を培養して移植することができるのです。

これこそ本当に再生医療の名にふさわしい技術であるといえます。

もしこの技術が実用化されれば世界からハゲはいなくなり、平和な世界が訪れるかもしれません。

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